終の棲家(すみか)を建てる、と建築でデザイン雑誌によくでてきます。家族が新築を考える時期で多いのは 子育てが始まるころと 子育てが終わって大人として将来を考えた時。当然ついの住みかになります。 その場合社会的に成熟している年齢なので、この時期に家づくりを考えるなら じっくり検討したいですね。 デザインや文化的要素にこだわりをもったり、健康に合理的に暮らせるような仕組みなど 納得いくまで追求すべきです。みなさんは家を設計計画する際のポイントをどう考えてみえますか?。
本件、大人が「楽しく暮らす」。趣味ガレージと家事楽のいえは 建築現場は三重県伊賀市。遠いようですが、名古屋の弊社設計事務所から1時間半で伺えることもあり、建築家イベントで初めてお会いしてお引渡しまで、二年以上のお付き合いになり充実の打ち合わせをかさねました。(^^)
趣味の空間はインドアとアウトドアの中間
一般論では暮らすのに必須ではない、車やバイクのガレージはプランの中でも悩みどころです。でも趣味の空間やインドアとアウトドアの動線の流れと位置がきちんとしていれば実用性だけではない暮らすのが楽しい家になります。
設計打合せを重ねると隣地の駐車場をリビングから見て過ごすよりも好きなバイクを見てすごせたほうがいいのではと プランは決まっていきました。 LDKをハブにして、書斎のある畳ルーム、食品庫、ガーデン、TV、バイク、暖炉ストーブが隣接してみわたせるダイナミックな間取りになったのです。
庭の設計は女性のガーデンデザイナーにベースレイアウトをお願いしましたが、これからお施主様がガーデンを楽しむ生活が始まります。もちろんガーデン用外部収納も忘れずに作ってあります!
そしてこのバイクルームや庭は車庫から車をいれられ、駐車もできるるようなフレキシブルなつくりなんです。住宅の間取りインテリアと外構アウトドアの あいまいな関係にあり、全面活用できる中間領域が暮らしを豊かにするポイントではないでしょうか。
このように完成してしまうと気がつきませんが、外構・エクステリア・ガーデン植栽は外観デザインと間取りに直結しています。 新築設計計画のポイントとしていえることは中間領域もプランに取り入れること。 家ができてから外構を考える、のは残念な動線が待っているので おすすめできません。
空気と温度と光をあやつる
LDKにいて「ぼおっつ」と空を眺めていただきたい、とアイポイントの吹抜け窓を作りました。夜になると間接照明で光をコントロールし、壁や天井自体が光るようになっているので、明るいのですが目に優しい空間になり しっとり落ち着きます。
そして いつもきれいな空気で、湿度もコントロールしていきたいというリクエストもいただいておりました。
ダクトレス24時間熱交換換気システム
いつもきれいな空気で、湿度もコントロールしていくために
1・第一種換気ダクトレス熱交換システム(せせらぎ)
2・珪藻土壁タイルエコカラット(リクシル)と吸湿性のある天井材(ダイケン)
を採用しました。
建築士としてお客様のことを考えると、換気扇を24時まわしていたら室温が外気と一緒になって寒い、暑いはずで、これはとても不合理だとおもいます。 また、空気を運ぶダクトが家の中(天井裏や壁の中)を縦横無尽にはしるのはメンテナンスや強度を考えれば できれば避けたいこと。
それをかなえてくれたのが 第一種換気ダクトレス熱交換システムです。使うことがおおいのがパッシブエネルギージャパン社のせせらぎで、今回もこれを採用です。
家事楽の中心はたっぷり収納と屋内洗濯干場
宅配ボックスや郵便ポストの荷物を屋内のシューズクロークからとれる、とか車庫から玄関まで濡れずに行けるようになっている、などインドアとアウトドアにかかわる日常動線は 暮らしやすさに直結します。
暮らしている人が家事をする訳ですから、家事が楽であるのは暮らしやすい家の条件。アウトドアにしてしまう洗濯干し場も、一番日当たりがいい二階ホールを洗面と室内物干しにしました。ホールから引き戸で締めたら洗濯干し場も独立で隠せるようにしてあるので、人目も気になりません。
一階のキッチンアクセスの洗面所は奥様のアイデアの洗面ロッカー、壁面のホーローパネル、ガス乾燥機など実用性満載。ユニットパスも豪華なだけでなく、ユニットバス側に掃除道具が置ける収納が付いたタイプです。
和室。実はアルマーニの床の間・・・。
奥様とサンゲツショールームに出かけた際に出会ってしまったアルマーニデザインの壁紙。この模様に合わせて障子のデザインも変更しました。実は床柱床板もナチュラルなやさしい感じから、ひきしまったブラックに変更。モダン和風にまとまりました。
わがままをきいてくださった、現場の方々、ありがとうございます。
住みやすさとデザインが両立したバランスの良い家になりました。そして、ジックリ打合せにお付き合いいただいたお施主様に感謝です。
住みやすさとデザインと性能はバランスをとることこそ、家を設計計画する際のポイントだと痛感しました。